うなぎの蒲焼には関東風と関西風の違いがあるのはご存知でしょうか?
一度蒸すことによりふっくらと仕上げる関東風、生のうなぎを直火で焼くことでパリッと香ばしく仕上げる関西風、うなぎの街、浜松ならどちらのうなぎも味わうことができます。
この記事では、関東風、関西風の違いや、浜松で味わえるそれぞれのおすすめ店を紹介していきます。迷った際に参考にしてくださいね。
うなぎの蒲焼、関東風と関西風の違い
関東風 | 関西風 | |
開き方 | 背開き | 腹開き |
工程 | 蒸す | 蒸さない |
仕上がり | ふわっととろける | パリッと香ばしい |
関東風は蒸す工程が入るため、余分な脂が落ち、ふわっとした仕上がりに、関西風は蒸さないで焼くためパリッと香ばしい仕上がりになります。
それぞれの特徴についてもう少し詳しく解説していきますね。
関東風は背開き、関西風は腹開き
関東では背側からうなぎを開きます。その理由は諸説ありますが、武士が多い江戸前では、「切腹」を連想させる腹開きは縁起が悪いとされたことが由来だと言われています。
対して、関西では腹開きが主流です。武家社会の江戸前に対し、関西は商人文化。「腹を割って話す」ことを好む文化が腹開きの由来だと言われています。
うなぎは背側から捌くと大人しく技術的に捌きやすいため、1700年代の江戸の外食産業の発展と、それに対する料理人不足の背景から、関東では熟練度の低い料理人でも容易に捌くことができる背開きが主流になったという説もあります。
関東風は蒸す、関西風は蒸さない
関東では素焼きをしてから蒸す工程が入ります。背景には、江戸の外食産業が発展した理由に単身赴任者が多かったことがあり、お一人様に素早く料理を提供することが求められた点があります。
焼き上げる前に、蒸して下ごしらえをすましておくことで、注文が入ってからタレを塗ってサッと焼くだけの状態にすることができます。調理時間が短縮できるこの調理法は、気の短い江戸っ子に素早く提供するのに合っていたのですね。
また、蒸すことにより、身がふっくらとした仕上がりになります。見た目の良さの観点からも、見栄っ張りの武家社会で好まれたのでしょう。
対して関西では蒸さずに直火で焼きます。焼く技術によって身を柔らかくするのです。実際に関西風のうなぎを味わっても驚くほどふわっとしているお店もよくあります。
関西のうな丼は、ご飯の間にうなぎが入っています。関西ではうな丼を「まむし」と呼びますが、この語源は「まんまむし」で、ご飯で蒸すことを意味します。その他、ご飯をまぶすことが転じて「まむし」になったという説もあります。
関東風と関西風の境界線は「浜松市」
関東風と関西風の境界線は、浜名湖や天竜川沿い、静岡県と愛知県の県境周辺と言われています。実際に、浜名湖うなぎで有名なうなぎの街、浜松では、関東風、関西風どちらの調理法のお店も混在しています。
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同じうなぎでも、ふわっとした身が箸を入れるだけでスッと崩れ、口の中でトロける関東風と、パリッと香ばしく焼かれ、食べた瞬間のサクッとした食感に心が踊る関西風ではかなり味わいが違います。
どっちが美味しい?と聞かれても、好みや食べ慣れた味で分かれるので優劣はつけづらいのですが、どちらの調理法も混在する、うなぎ産業が盛んな浜松ならではの食べ比べをする楽しさがあります。
代表的なそれぞれのおすすめ店をご紹介するので、浜松を訪れた際には、ぜひ味わってみてくださいね!
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まとめ:ふわっとトロける関東風、パリッと香ばしい関西風。うなぎの街、浜松で両方味わおう!
うなぎの蒲焼の調理法には、蒸す工程が入ることによりフワッと仕上げる関東風、蒸さずにパリッと香ばしく仕上げる関西風の違いがあります。
うなぎ産業が盛んな浜松では、うなぎの状態によって関東風と関西風の調理法を使い分けるお店もありますよ。どちらの調理法も美味しいのは間違いがないので、食べ比べをしてうなぎを楽しんでみてくださいね!
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