天狗伝説が数多く残る、北遠地方。
設置されてから30年に関わらず、様々な謂れが伝わる、浜松市天竜区春野町にある大天狗面を見に行ってきました!
春野町大天狗面へのアクセス
浜松市天竜区春野町にある大天狗面は、国道362号線沿いにあります。
JR浜松駅からは車で約1時間20分、新東名浜松浜北ICからは40分弱かかります。
春野町の協働センターを過ぎ、500mくらい行くと、左手に「お食事処 柳沢」が見え、その先の横断歩道の手前を左折します。
公共交通機関を使う方は、遠州鉄道西鹿島駅から「春野協働センター」行きのバスで1時間、終点の協働センターで降りて、そこから1.5Kmの道を歩いて15分です。
袋井駅からだと秋葉バス秋葉線「気田」行きのバスがあり、1時間50分乗り、最寄りのバス停「松草」で降りると、徒歩1分で到着です。
大天狗のお面、でっかいぞー!
大天狗面は、春野文化センターの駐車場に鎮座しています。
このお面、高さが8m、幅6m、鼻の長さは4mあるそうです。
車と並べると、小さいように感じますが、この車は10m以上離れた所に停めています!
近づいて見上げると、でっかーーーい!
鼻も長い!
口をぎゅっと引き結んで、強そうなお方です。
鋭き眼光は、どこまで先を眺めているのでしょう!?
この何の変哲もない駐車場に、真っ赤な大天狗の存在感!
大きい車が連なっていても、なんのそのなこの圧倒的な存在感!
この大天狗面、インスタ映えスポットと聞き、検索してみると、やはり出てくる! #大天狗面
「ふじのくにエンゼルパワースポット」にも登録されており、縁結び祈願で訪れる人も多いとか!
ドライブの際は、ぜひ足を伸ばしてみてください。
大天狗面の歴史を遡る
この大天狗のお面、ここに設置された経緯はどんなものがあったのでしょうか?
春野町に来た経緯
大天狗のお面は、昭和60年(1985年)に神戸市で開催された、コウベグリーンエキスポ’85に出典されたものだそうです。
エキスポ内の「日本の伝統工芸品と匠の技」というパビリオンに展示されたこのお面は、株式会社そごう神戸店によって作られたもの。
当時、周智郡春野町時代、町興しに熱心だった水口町長が、この出典されたお面をニュースで見て
「天狗に縁の深い我が町にこのお面がほしい!」
と、熱意を持って交渉され、
「天狗に縁の深い町なら!」
ということで、神戸からはるばる春野町へやってきました。
ちょっとしたドラマがあったのです!
この場所に設置されたのは、昭和61年の早春。天竜区役所の記録によると、2〜3月に設置されたそうです。
何が日本一なのか?
「日本一大きい天狗」と検索したら、他に出てくるものは岐阜県美濃加茂市にある「古いの天狗山」で、頭から足まで全長12mあるものがあるそうです。
一方、浜松市天竜区春野町にある天狗は、天狗のお顔の部分の大きさが日本一で、高さが8m、幅が6m。鼻の長さも日本一で4mもあるそうです!
下から見上げると迫力があるわけだ!
区役所の方によると、材質はFRPという強化プラスチックで出来ており、他の材質と比べ軽くて強い素材で出来ているとのことでした。
ちなみに、大天狗面、目が光るスイッチがあります。
この辺りは「宮川」という土地で秋にお祭りがあるのですが、3つの自治体が集まりこの大天狗の前に山車が並びます。
その際、大天狗は目から白熱球の温かみのある光を放ち、あたりを照らします。
機会があれば、光る天狗の下に集う屋台を見に、10月の夜、お祭りを見に行ってみてくださいね!
秋葉山の天狗のお話
春野町の天狗伝説を最も端的に説明しているは、春野町の入り口である春野町領家にある「秋葉大天狗の高下駄」です。
この高下駄は、春野町に流れる気田川に残された天狗の足跡から大きさを計算して作られた下駄とされています。
秋葉山の天狗はとても大きかったことが分かりますね!
大天狗のお面を見てから秋葉山の天狗を知った方は意外に思う方も多いのですが、実は秋葉山の天狗は烏天狗だったと言われています。
秋葉山の烏天狗は一本歯の高下駄を履き、日本中を駆け巡り、京都や江戸などの火災を鎮火して回ったという伝説があるそうです。
秋葉山の天狗についてネットで探すと沢山の考察がされているのが分かります。
秋葉山本宮秋葉神社によると、「秋葉山の天狗」とは烏天狗の装束をまとった「秋葉三尺坊大権現」であり、明治期まで長らく秋葉神社で主祭神を務められたこのお方のことを指していたそうです。
秋葉神社は701年もしくは709年奈良時代に開かれたとされています。
平安時代になると、仏教や修験道が信仰の中に入り、沢山の修験者が春野の地に入る中で、数多くの天狗の逸話が生まれのではないかと推測されています。
詳しい話は、春野の昔話が地元の図書館や書店さんにありますし、ネットで紹介されている歴史考察なども面白いので、ぜひ探して見てくださいね。
私が探した中で読みやすかったのが、「浜松のてんぐちゃん」がブログ「てんぐちゃん下界で遊ぶ」で書かれていた秋葉三尺坊についてのページなどです。
今を生きる「てんぐちゃん」も合わせてチェックしてみて下さいね!
大天狗面はパワースポット
平成24年に静岡県が「恋愛・結婚・子宝」にまつわる噂のスポットを募集し、1637件の応募の中から「ふじのくにエンゼルパワースポット」が認定されました。
春野町の大天狗面も、「縁結び」を祈願すると叶うと噂されているスポットとして、登録されています。
ドライブに来られた老夫婦や、大きなバイクを転がしてこられたライダーさんたち、細いタイヤが軽やかなロードバイク乗りさんたちに混じって、若い女の子たちのグループもちらちらと見られます。
春野の大天狗のお面について、天狗面の横にいわれの書かれた看板が立っています。
「土地の人々の身近にいて常に人々に幸福を授けてくださるありがたい霊神として」
「秋葉の天狗さんは子供たちとも仲良しで」
長い間、秋葉の天狗さんとして愛されて来たのが分かる一説。
どっしりとこの山村に根をおろし、訪れた人々の幸せを願ってくれる天狗のお面です。
つむぎたいご縁を願いに、皆さんも天狗さんと語りにこのお面の前に訪れてみるのはいかがでしょうか?
春野町で回れるその他のパワースポット
さて、春野町は他にもこちらに登録されているパワースポットが多くありました。
「一草川(一草の赤い吊橋)」、「勝坂神楽(八幡神社)」や「秋葉寺」などが登録されています。
秋葉山秋葉寺
秋葉寺は「子宝に恵まれる」お寺であり、遠くから訪れる方も多く、ご存知のお方も多いでしょう。
常時、ご祈祷やお守りなどの購入ができます。
また、年に一度12月に火祭りが行われます。
全国から人々が参列される有名な行事。火渡りの儀式など見ることができます。
勝坂神楽(八幡神社)
勝坂神楽とは春野町勝坂地区で10月末に行われる神事の一つです。
美しい着物を着た獅子が舞い、パワースポットとされている「八幡神社」や近隣にある清水神社で奉納舞が行われます。
子供を授けてくれる、子供を健康に育ててくれるという祈りをもって、地元の有志によって伝え続けられている神事になります。
一草川(一草の赤い吊橋)
一草の赤い吊橋、気田川にかかる赤い橋です。
春野町のマンホールのデザインにもなっており、国道362号線を通っていると、急に現れる印象的な橋です。
幅が狭く、歩行者や軽車両しか渡ることができません。
なんでもこの赤い吊橋の中心で、気田川に向かって愛を叫ぶと叶うのだとか!
大天狗面のまとめ
インスタ映えやパワースポットとして人気の大天狗面。
浜松の中心部からは1時間程度とドライブするのにちょうどいい距離感です。
ぜひ足を運んでみてくださいね!