浜松市内で祭り用品の販売を手掛ける「菊一輪」(東区子安町)が、祭りの和柄をモチーフとした清涼マスクの販売を開始した。
新型コロナウイルスが猛威を振るう昨今、祭事に関わる関係企業を取り巻く環境は窮地に追い込まれているという。祭り用品店の書き入れ時となる「浜松まつり」も開催中止となり、同店ももれなく影響を受けた。
「このままコロナによって仕事がないと半纏をつくる職人は減ってしまう。日本の祭り文化や伝統的な織技術を守るためにできることはないか。」と方法を探る中で、日本の伝統生地であるタテ絽を使用した清涼感のあるマスクの販売にたどり着いた。
マスクは3種類の柄の下地に加え、カラーが4色。その上に白・黒・紺の3色のタテ絽を乗せるため、全部で36種類のカラーバリエーションがある。股引きで使用して好評だった伸縮性がある素材を下地に使い、肌に優しい付け心地のマスクになっている。
「日本には古来から季節によって生地や仕立てを変えて、涼を楽しむ文化がある。半纏屋としては粋も大事にしたい。」と、機能性だけでなく、デザインにもこだわりを持って製作。タテ絽を使用したマスクは透け感があり、見た目も涼やか。抗菌・抗ウイルス性などはないが、通気性がよく、吸汗速乾で何度洗っても色落ちなどはしないという。
地場産業を盛り上げたいという想いから、縫製は市内の縫製企業に依頼した。発売当初は、想定をはるかに超える売れ行きがあったため生産が追いつかず、地元の主婦に頼み込んで製作を手伝ってもらうこともあったが、現在は生産数を増やし、マスクを待っている人にも届けられる体制が整った。
今後は、まつりの会合の時などにも着用できるよう、自治会のデザインに合わせたオーダーマスクにも対応していく予定。寄付をもらって中止になってしまった分の自治会費のお返しなどで要望があるという。祭りは浜松にとっても重要な文化であることから浜松市にも提案ができたら、と語る。
「清涼マスクを身につけて日本古来の涼を感じながら、コロナを乗り越えてほしい。」と語る店主の中村(右)さん。
マスクは660円〜(サイズ:縦15cm、横22cm)で、店頭でも購入できるほか、同店の通販サイトでも購入が可能。
購入すると、ビックリマン風のデザインで、裏面にシリアルNo.が入ったアマビエイラストの限定シールが付属する。イラストは浜松市出身の有名デザイナー「Smito」氏や、地元出身イラストレーターとコラボしたオリジナルデザインのアマビエになっている。
菊一輪の詳細
住所 | 静岡県浜松市東区子安町1470−1 |
電話番号 | 053-461-7332 |
営業時間 | 10:00〜21:00 |
定休日 | 火曜日 |
公式ホームページ | 公式HP:https://kikuichirin.com/info.html 公式オンラインショップ:https://shopkir.thebase.in |
公式SNS | Instagram |
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